コーヒー実験のナゾ?(その3)

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冷えたカップにお湯を注いで実験してみます。私の考えが正しければ,音は変化するはずです。お湯を注いですぐに底をスプーンでたたき続けると………。

「ほらっ変わった!!」

「えー?変わってないよ」

自分の考えに自信がある私の耳には確かに音が変化したように聞こえました。しかし,他の二人は「変わっていない」と言い張ります。

そこで,もう一度コーヒーの実験と比べて,慎重に実験を繰り返しました。

「うーん。やはり変わっていないようだ」

1回目の実験の時には確かに変わっているように聞こえたのですが,それは私の気のせいだったようです。「変わっている」と考えるとなんだか変わっているような気がするのですが,もう一度コーヒーを溶かす実験と比べてみると,コーヒーの時のような音程の変化はないことがわかります。

「だとしたら,いったいなにが原因なのだろう。溶液の粘性が変わるのだろうか。それとも,ものが溶けるときに溶液の何かが変化するのか………。」

「それなら,ここにあるクリーミングパウダーならどうだろう」

綾子さんが,コーヒーに入れるクリーミングパウダーを指しています。果たしてコーヒー以外のものが溶けるときでも音程の変化はあるのでしょうか。
「ココアならどうだろう」と章君。

粉末ココアはこの部屋にはありませんが,近くのコンビニに行けば買えそうです。

「それなら,水やお湯にとかすものを片端からコンビニに行って買ってこよう。」

私たち3人はさっそくコンビニに出かけたのでした。

さて,果たしてクリーミングパウダーやココアを溶かすとき,「カップとスプーンがぶつかるときに出る音程」は変化するのでしょうか。また,その他のものは?

(つづく)