「おそらく何か気のせいだろう。そんな気がするだけじゃないかな」そういいながら,インスタントコーヒーをお湯に溶かして,カップの底をスプーンでこつこつとたたいてみました。
すると……。なんと不思議なことに音程が変化していきます。はじめはくぐもったような低い音から,コーヒーの粉末が完全にとけきるころには,すんだ金属音に変化していきます。何度やってもそう聞こえます。どうも気のせいには思えません。
でも,何で音が変化するのでしょうか。すると,そこにいた理科部の章くんがこんなことをいいだしました。
「粒の粗い,フリーズドライ方式のコーヒーは,粒の細かいものにくらべて,中に気泡などが入っているんじゃないかな?その気泡によって,音がくぐもったようになるんだよ。だから,粒の細かい(値段の安い)コーヒーで実験したら,音はかわらないんじゃないかな?」
確かに,物理室にあったのは,粒の粗いインスタントコーヒーでした。そこで,粒の細かいコーヒーを化学室からわけてもらって,そちらでも実験してみることにしました。章くんのいうとおりなら,こちらでは音程はかわらないはずです。
粒の細かいコーヒーをカップに溶かして,こつこつと底を叩いてみます。放課後の物理室で一杯のコーヒーをいれながら真剣に耳を傾ける私たち……,妙な光景です。
それはさておき,結果は,粒の細かいコーヒーでも音程がかわっていくことが確認できました。さらに学校内の先生方からわけてもらった何種類かのコーヒーで実験してみたところ,種類に関係なく,この現象がおこるらしいということもわかりました。
いままで,インスタントコーヒーを何度もつくっていたはずなのに,綾子さんに教えられるまでこんなことには全く気づきませんでした。そして,知ってしまうと実に不思議な現象です。いったい,音が変化するのはなぜなんでしょうか?
実は,私にはこの実験を見た瞬間,ある考えがひらめいていました。そこで,その考えを提案することにしました。
「これはコーヒーなんか関係ないんだよ。カップとお湯さえあれば,いいんだと思うよ。冷たいカップがお湯に暖められることによって,カップに響く音の高さが変化するんじゃないかな。」
私は自信満々です。でも,綾子さんは,「2杯目のコーヒーをいれるときも音はかわったよ。カップはまだ温かかった」と私に反論してきます。章くんは黙っていますが,その顔は「お湯だけで音がかわるなんて信じられないよ」と言いたげです。どうも理科部の2人には,私はあまり信頼されていないようです。
「音の速さは温度によって変化するから,その違いが原因じゃないかな?まあ,実験してみようよ。」そういって,冷たいカップにお湯を注いで,こつこつとカップの底を叩いてみました。さて,本当にカップの温度が原因なのでしょうか?みなさんはどう思いますか?
ケンブリッジの人たちの論文の出典を教えてください。
昨日も書き込んだのですが、名前を書かなかった気がするので、届いてるかどうかわかりませんので、
再度入力します。
磯田様
私の研究に関心を持っていただき,ありがとうございます。うれしく思います。
昨日のコメントは,どんな方なのか,なぜこの論文の出典に興味を持たれているかも書かれておらず,唐突すぎて当惑してしまいました。
出典などは私の論文「コーヒーカップとスプーンの接触音の音程変化」 『物理教育』 (日本物理教育学会),55巻4号(2007年12月) ,pp.291~296.にすべて書かれていおりますので,ご覧いただければ幸いです。当ブログからもpdfでご覧になれるはずです。
<a href="http://fumanchu.air-nifty.com/blog/2011/07/post-b6d0.html" rel="nofollow">http://fumanchu.air-nifty.com/blog/2011/07/post-b6d0.html</a>
もしよろしければ,磯田さんがどうしてケンブリッジの論文の出典に関心を持たれているか,そのあたりのことも教えて下されば,もう少しご協力できることもあるかも知れません。こちらに書き込まれてもいいですし,mail(あっとまーく)jp に直接メールを下さっても結構です。
よろしくお願いいたします。