歳をとるとなぜ時間が早く過ぎると感じるのか

今年もふと気づくと12月になってしまった。歳をとると時間がたつのがあっという間に感じる。これは誰もが感じることだと思う。wikipedia先生によると,ジャネーの法則というらしい。

これによると,50歳の人間の1年は5歳の人間の10年分だそうだ。そういえば,小学生時代の6年間は長かったけど,この10年はあっという間にすぎてしまったように感じる。

この理由については,「子供時代は,新たに吸収する知識量が圧倒的に多いから,1日がとっても長く感じる」と書かれたものを読んだことがある。そういうこともあるのかもしれない。でも,私は人間を一つの化学反応系として考えればいいのではないかと思っている。

人間も一つの化学反応系だ。若い頃は新陳代謝が活発なので,体内で化学反応がすごい速度で行われている。それに対して歳をとると体内の代謝=化学反応の速度はゆるやかになる。

そこで若い頃は,体内の化学反応の速度に比べて外界の時間はゆっくり進んでいるように感じる。逆に歳をとると,相対的に外界の時間は早く過ぎているように感じる。つまり,体内の砂時計が歳をとるにつれて遅くなるようなものなんじゃないだろうか?

うろ覚えだが,以前に読んだ科学者のエッセイで,家族が熱を出して看病していたときの話があった。

食事をとるためにちょっと病人から離れたが,心配だったので,すばやく食事をとって戻ってきた。ところが病人から「ずいぶん長い時間食事をとってきたのね」と言われたというのである。その筆者は,「おそらく熱を出したことによって体内の化学反応が活発になったので,体外の時間が長く感じられたのだろう」と考察していた。これをヒントに思いついた私見である。誰のエッセイだったかなぁ。有名な人だったと思うけど。