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たのしい科学の伝統に立ち返る

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すっとびボールの研究史

      2018/06/20


「すっとびボール」の研究史『物理教育』(日本物理教育学会)49巻6号(2001年12月) pp.537-541.

この論文がきっかけで,「鉄腕ダッシュ」   ( スーパーボールをスーパーキャッチ出来るか!? )  (2009年8月9日放送)に出演することになった。テレビ制作会社の人がネット検索で私の論文を見つけたらしい。

 物理教育学会誌にはこれまで何本か掲載されているが,これがデビュー作である。自分が今まで書いたものの中で,もっとも気に入っているものの一つである。物理や数学が全く苦手な人でも,数式をとばして読めば面白く読めると思う。というか,物理以外の人からの方が評判がよかった。『たのしい授業』 にも,「すっとびボールの発明物語」が掲載された(2009年11月号,その後『ものづくりハンドブック9』(2015)にも掲載)。

 この論文は,すっとびボールそのものを論じたり紹介することを目的としたものではない。その研究史を通じて,「教材研究の分野でも先人の成果をしっかり認めるべき」と主張することを目的としたものである。

 科学教育,特に教材研究の世界では,先行研究のプライオリティを尊重する伝統がまだ定着しているとは言い難い。そこで,他人の開発した教材を寄せ集めて派手に紹介する人が有名人になって,科学教育の権威のごとく扱われていたりする傾向があるように思う。

 とは言っても,私への出演依頼は,おそらく「すっとびボール」でgoogle検索すると最初に出てくるページ で論文を紹介されていることから来たらしい。

このように先行研究,出典を明記することが当たり前になって先人に経緯を払う事が習慣化されていけば,教材史研究も一つの研究分野として認められるようになりうると思う。

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 - すっとびボール, 科学教育研究

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