先日の朝出勤すると,研究室の机の上においてあった,おもちゃのスライム時計が壊れていた。
これは,砂時計のようにスライムが落ちることで時間を計ることの出来るおもちゃで,もう20年くらい前に浅草橋のおもちゃ問屋で購入したものである。当時の浅草橋には,ちいさなおもちゃ問屋がたくさんあって,いろいろなあやしいおもちゃを購入できた。
今でもまだ,おもちゃ問屋は浅草橋にたくさんあるが,個人でやっているようなあやしいおもちゃ問屋はだいぶ減ってしまった。そのころ仮説実験授業研究会の友人たちと何回か浅草橋おもちゃ問屋巡りをしていて,そのときに購入した物だ。
こういうおもちゃはだいたい一度生産して売り切ったらおわり,というものがほとんどで,これもそのようなおもちゃだと思う。たいてい,こういうものは購入してしばら遊んだあと,しまいなくしてしまったり忘れ去ってしまうことが多い。でも,このスライム時計はなんとなくオブジェとしても楽しいので,職場がかわってもいつも自分の机上においていた。
たまに思い出したときにひっくり返してその動きを見るとなんとなく癒やされた。それがある朝出勤したら,底からスライムが漏れ出ていた。円筒の蓋をとめていた接着剤が経年劣化したらしい。
おもちゃ屋で売られているスライムとか,科学イベントのものづくりなどで定番のスライムは,手についても洗えばすぐに落ちる。そういう先入観をもっていた私は,それを素手で処理した。「全部元に戻して蓋を接着すれば,復元できるかも?」などとも思っていた。
ところが,両手にべったりついたスライムを洗い流そうとして,びっくり。まったくスライムが落ちない。石けんや台所洗剤などを使ってもはじいてしまって,全然効果が無い。自分がさわるものがすべてべたべたしてしまうので,気持ち悪いことこの上ない。
結局,スライムと格闘すること約1時間。台所用スポンジににたっぷりと含ませた洗剤で,ごしごし無理矢理はがし落とすといった作業で,ようやくなんとか手からベタベタをはぎとることができた。
でも,微妙に爪の間とかにスライムが残っていたらしく,キーボードやマウスが微妙にべたついてしまった。
結局その日は,なんとなく指先のベタベタ感がぬぐえないままだったが,帰宅後入浴すると,すっかりべたべたはとれてさっぱりした。しかし風呂から出てスマホをいじると,なんだか再び指先がベタベタし始めた。微妙に指先に残っていたスライムの残骸?が,スマホについていて,それが再び指先にのりうつってきたらしい。
そういえば,このスマホは防水だ。どうにも気持ち悪いので,「風呂で洗剤で洗っちゃえ」ということで,もう一度入浴して,スマホも一緒に洗ってしまった。すっかりスマホのベタベタもとれた。
ところが翌朝スマホを触ったら,タッチパネルが反応しない。内部の基盤は生きているようで液晶は表示されているのだが,操作不能。電源を切ることすら出来ない。タッチパネルに洗剤がしみこんでしまったようだ。
結局,スマホを買い替えることに…(>_<)。
おそるべし,スライム…orz。