北米旅行記(3)飛行機は太陽を追いかけていなかった…orz

前回の記事で,「飛行機が太陽を追いかけていたことになる」とえらそうに書いたが,あとで考えたら,まったくの誤解をしていることに気づいた。というのは飛行機は太平洋を横断したので東に向かって飛んだはずである。太陽を追いかけるなら,西に飛ばねばならない。
つまり,こちらの夕方出発して,深夜,朝,昼を11時間,つまり通常の半分の時間で通り過ぎて,現地の夕方に到着したと考えるべきである。日付が変わらなかったのは日付変更線を越えたからだ。
しかし,太陽は地平線近くを出たり入ったりしていて,高度があまり高くならなかったように見えた。もっとも,ずっと太陽を見ていたわけではなく,映画を見たり居眠りしたりしていたので,結構な高度になったときもあったのかも知れない。
しかし,Earth Viewer で,当日の地球の影の様子と飛行経路を照らして考えてみて,自分の誤解の原因がわかった。


まず,これが出発当時の画像である。

tikyu1

日本は右端にある。その右から夜の影が近づいているのがわかる。次の画像が出発からおよそ4時間後。
4Earth
日本は夜の影に飲み込まれている。太平洋を横断しているなら飛行機も暗闇を飛行しているはずである。しかし,飛行機の飛行経路は,まっすぐ太平洋を横断するのではなく,いったん北上してアラスカ経由で北米に入る経路を通っていた。
おそらくこの頃飛行機はアラスカ付近,つまり上記の図では,左端上部あたりを飛行していたと思われる。地軸の傾きにより,この時期の北極付近は白夜状態である。したがって,飛行機からはずっと太陽が地平線近くに見え隠れしていたというわけである。
ちなみにこれが8時間後の様子。

8Earth
もうアラスカを過ぎた頃と思われるが,まだ高緯度地域上空を飛んでいるので,太陽の高度はそれほど高くない。
そして,到着の頃。

Earth

トロントの位置は五大湖の少し北。サマータイムを導入しているのもあって,出発時の日本と影の関係とくらべてもまだ日が長いのがわかる。
…というわけで,飛行機から見える太陽の高度はずっと高くなかったので,前回のような勘違いをしてしまったのだった。
とはいえ,そもそも飛行機の飛行方向と地球の自転との関係を考えた時点で,こんな間違いをするべきではなかった。科学教育に携わる人間として,とっても恥ずかしい…orz
でも,いろいろ考えるのが面白かったので,このまま残しておこう…(しばらくしたら,修正するかも(^^;))