ここフィラデルフィアはアメリカ建国の父の一人とされるベンジャミン・フランクリンゆかりの地であって,このペンシルバニア大学の創設にもフランクリンがかかわっている。
キャンパス内のフランクリン像
この大学内だけでなくて,ペンシルバニア市内を歩くと,フランクリン博物館とか,フランクリン橋とか,そこら中にフランクリンの名前に出くわす。
フランクリンは,政治家としてだけでなく,科学研究でも知られ,特に静電気実験で知られる。そこで,この学会でも初日には,フランクリンがらみのワークショップとして,Ben Franklin is My Lab Partner というタイトルのものがあった。フランクリンの実験を再現したものが見れそうだったのだが,申し込んだときはすでに満員だった。
そのかわり,この日のBen Franklin Performanceというプログラムに申し込んでいた。ちょうど私の発表の後,5:30~7:00p.m.という時間帯であった。
その宣伝文句には,
・Come and meet this famous philadelphian. (この有名なフィラデルフィア人に会いに集え)
・Explore his thoughts.(彼の思想を探求せよ)
・Share his observations.(彼の見識を共有せよ)
・Experience the essence of his being. (彼の振る舞いの本質を体験せよ)
とある。フランクリンのなんらかの実験パフォーマンスが見られるのかと期待した。
ところが参加してみてびっくりであった。
フランクリンのコスプレをしたおじさんが出てきて,なにやらフランクリンの名言が書いてある本を読んでいるだけである。おそらく日本人なら,福沢諭吉のコスプレをしたおじさんが「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」とかやっているのと同じで,アメリカ人なら誰でも知っているフランクリンの名言集なのだろう。
つまらないので,すぐに出てきてしまった。このセッションは有料で,いくら払ったか忘れたがもったいないことをした。
ちなみに写真の手前のおじさんのようなおなかをした人がアメリカにはとても多い。日本ではこんなにおなかが出た人は滅多に見ないので,やっぱり食生活がずいぶん違うのだろうと思った。そういえばフランクリンの晩年の肖像もずいぶん立派なお腹をしている。
Wikipediaより。
フランクリンパフォーマンスを出て,天然1号とキャンパスのフランクリン像の前で記念撮影をした。発表も終わってほっとしたのか,満面の笑顔である。
フランクリン像の前では,気が抜けてもうふらふらでしばらく気が抜けた状態であった。”Battery low!” と叫んでいた。まさにそんなそんな気分だったのである。